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コーヒーの栽培条件

2月も終わりに近づき、降り積もっていた雪がみるみるその姿を小さくしています。
暖かな陽射しに気分もウキウキするこの時期は、自家菜園で今年はどんな野菜を育てようかとあれこれ考えるのが楽しい季節でもあります。

土地だけはあります。
この土地にコーヒー豆を蒔いて、毎年どんどんコーヒー豆が収穫できればどんなに嬉しいことでしょう。
自分で育てた豆を焙煎し、お客様に飲んでいただく……こんな夢のようなことはありません。

……でも、そんな簡単なわけにはいきません。コーヒーを栽培するのは大変なことなのです。

 

コーヒーはコーヒーベルトで生まれる

あのコンビニのコーヒー豆は?~コーヒーの三原種を知るにも書きましたが、コーヒーは3つの原種に分類されます。
これらのコーヒーは主に熱帯・亜熱帯地域で赤道を挟んだ南北約23度以内のコーヒーベルトと呼ばれる区域内で栽培されます。逆に言えば、この温度帯でないと健全な生育が保たれないのです。

コーヒーベルト
元画像

ご覧の通り、飛騨高山どころか日本もコーヒーベルトから外れています。
ならばと日本をひょいと動かしてコーヒーベルトの中に移動させればそれで良いというわけではありません。
他にも以下のような条件が必要になってくるのです。 

 

気候条件

一般的にコーヒーは高温多湿を嫌います。さらに5℃以下の低温が長時間続くのは×。湿気が少なく霜の降りない標高1000m~2000mの高地が適しており。雨は1年を通じて平均して降ることが望ましく、日照は適度に必要だが強い日差しは厳禁、日中と夜間の寒暖の差が激しい地形が望ましいのです。

土質

コーヒー栽培に適した土壌は簡単に言うと「有機性に富んだ火山灰土質で、いくぶん湿り気のある水はけの良い土壌」ということになります。コーヒーの原産地であるエチオピア自体が火成岩の風化により形成された腐植含量の高い土壌であるため、自然にこのような土壌条件が目安になったものと考えられます。

地形と高度

一般に高地産のコーヒーほど良質とされていて、標高そのものが格付けされているコーヒー豆も多くみられます。コーヒー農園が高地で急な山の斜面にある場合、交通や運搬、栽培管理の面で多くの困難が伴いますが、その反面、気温が低く日中霧や雲が出やすく、熱帯特有の強い日差しを和らげられ、コーヒーの実を時間をかけて熟成させることが出来ます。

 

ただし…

有名なジャマイカ島のブルーマウンティンなど高地産ではありません。適切な気温や降雨量、土壌、さらには日中霧が発生したり昼夜の寒暖差が激しいといった条件に恵まれれば、高品質で人気のあるコーヒーになることができるのです。
「高地産=高品質」「低地産=低品質」と言うことでは決してないということを覚えていてください。

 

いろんな条件をみれば、この飛騨高山でのコーヒー栽培はほぼ不可能ですが、沖縄や小笠原諸島の一部など、日本でもコーヒーが栽培されています。
生産数も少ないためなかなか手に入りませんが、いつか国産コーヒーを焙煎してみたいものです。

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